二つ以上の臓器が同時に機能不全におちいる


 ●早期に原因を取り除くことが重要

死因として案外目にするのが「多臓器不全」という言葉ではないでしょうか。
では、この「多臓器」とはいったい何をさすのでしょう。

多臓器不全とは、連鎖的に複数の臓器が障害された状態をいいます。
これらの臓器は生命を維持するのに欠かせないもので、腎臓、肝臓、呼吸器、消化器、血液系、心血管系、神経系の7つの臓器及びシステムをさします。
これらのうちの2つ以上が、同時あるいは短期間のうちに相次いで機能不全におちいった状態を多臓器不全と呼ぶのです。

英語の頭文字をとって、MOF(Multiple Organ Failture)ないしMODS(Multiple Organ Dysfunction Syndrome)といいます。

多臓器不全におちいる原因はさまざまですが、敗血症など重度の感染症や、広範囲に挫滅(ざめつ)(外部からの強い衝撃・圧迫を受けて、内部の組織が破壊されること)を伴う重度の外傷や熱傷(ねっしょう)(やけど)、重度のショック、重度の膵炎(すいえん)などによって複数の臓器の機能が全うできない状態になります。

敗血症とは、細菌による病気がある場合、そこから細菌が血液の流れの中に入って増殖し、それが生産した毒素によって中毒症状を起こすなどする病気ですが、敗血症にかかると多くの臓器が攻撃を受けることになり、症状が早く進んでしまいます。

重症のショックの場合は、血圧が下がることで臓器に血液や酸素が行き渡らなくなることによって、細胞が破壊され、臓器を維持することができなくなってしまうのです。

多臓器不全になってしまうと、重篤(じゅうとく)な状態となり、救命できない場合が多くあります。
ですから、多臓器不全におちいる前に早期に診断を受け、早期に治療することが望ましいといえるでしょう。